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2024.01.20 Sat 緊縛による神経系ケガの病名確定から治療にいたるまで

緊縛や緊縛を伴うプレイで神経系のケガをした時、これまでは、撓骨神経麻痺、尺骨神経麻痺の2つの病名が出てくることがほとんどでした。

しかし、実際にはもっと多くの病名があります。病名によって治療方法も違い、手術が必要な場合もあります。

これまで、この2つの病名しか知らなかったために、正しい治療を受けなかった事があったかもしれません。

緊縛によって神経系のケガをした人が、早く正しい治療をうけられるように、正しい治療の選択ができるようになることを切に願います。

1.緊縛における神経系のケガには、以下の症状があります。

腕、手、指にしびれや痛みを伴うのが主な症状です。他に、腕、手に力が入りにくい、力が入らない等の症状が出ることもあります。
  • 小指やくすり指尺側(小指側)のしびれ
  • 小指の背側にもしびれ
  • 肘の外側の鈍痛
  • 手を甲側に上げることができない(下垂手)
  • 手指を自力で伸ばすことができない(下垂手)
  • 腕や手がしびれる
  • 腕に力が入りにくい
  • 握力の低下
  • 指が曲げにくい
  • 指が開かない
  • 指が握れない
  • 指、関節の痛み
  • 指先に力が入らない
  • 親指が立てられない
  • 手を開いたときに指、手が震える
  • 手、腕が疲れやすい
  • 首の痛み

2.ケガの病名

上記の症状から推測される病名には以下があります。
症状に下垂手、親指側の痺れ、痛みがある場合は橈骨神経系の病名(橈骨神経麻痺、橈骨神経管症候群)の可能性が高く、親指側の症状がなければ橈骨神経系以外の病名(肘部管症候群、胸郭出口症候群、頚椎捻挫)の可能性が高くなります。手のケガの病名にはこの他にも多数ありますが、緊縛でのケガを考えた場合、ほとんどが以下の病名になるでしょう。
  • 橈骨神経麻痺
  • 橈骨神経管症候群
  • 肘部管症候群(尺骨神経麻痺)
  • 胸郭出口症候群
  • 頚椎捻挫(むち打ち)
  • 正中神経麻痺
  • 手根管症候群

3.病名(ケガ)の確定方法

ケガの症状より、推測される病名を上げます。推測される病名が複数あれば、全てあげてください。すべて上げる理由は、症状が同じでも病名によって治療方法が違うためです。

縛り方とプレイ内容から病名を絞り込みます。
例えば、橈骨神経が通っている場所に縄があたっていなければ、橈骨神経系統の病名は外しても良いでしょう。肘部管症候群(尺骨神経麻痺)胸郭出口症候群が考えられます。手首内側に結び目、留めを強く押していれば、正中神経麻痺、手根管症候群が考えられます。
また、首に縄がかかっていなくても、プレイ内容に首が急に揺さぶられる行為や、髪の毛を縛り後ろに引くなどの行為があれば、頚椎捻挫が考えられます。

上記より推測した病名の確定には、手の外科無料相談所に相談するか、手の外科専門医のいる病院(クリニック)で検査を受けてください。症状がひとつでも複数の病名が関係する事もあります。

手の外科無料相談所はこちらです。
https://hand.raindrop.jp/

メールで相談すると、1、2日で丁寧な返信がきます。
相談用のメールフォーマットにできるだけ詳しく症状を書いて送信してください。
手の外科無料相談所ホームページ内にも、専門医のいる病院リストがありますが、関東エリアの病院リストは少ないです。以下の外科専門医名簿も参考にしてください。

日本手外科学会の手の外科専門医名簿はこちらです。
https://www.jssh.or.jp/ippan/senmon/senmoni-meibo.html

4.治療

受診する病院が決まり、診察を受ける際は、推測される病名すべての検査をしてもらうように、医師に伝えてください。何も言わないと、症状から考えられる1つの病名の検査しかしないおそれがあります。
こちらの経験では、1つの病名の検査を行い、経過観察後に再検査をしたところ、その病名ではなかったことがありました。後日、違う病名である可能性から、MRI検査を行い、その結果違った病名だったことが判明しました。神経系のケガは、症状は同じでも、病名によって治療方法が変わるため、病名確定するための検査は推測されるものすべてを受けたほうが良いでしょう。
検査には、レントゲン写真やエコー、MRI検査、筋電図検査などがあるようです。MRI検査は大きな病院でしか受けられませんが、その他の検査は手の外科専門病院(クリニック)であれば受けられます。
これで、病名は確定できるでしょう。正しい治療を受けることで早期回復ができると思います。